不登校

不登校(ふとうこう)は、学校に登校していない状態のことである。日本における「不登校」の語については、研究者、専門家、教育関係者らの間に全国的に統一した定義がなくきわめて多義的である。

なお、「統計法」に基づく「学校基本調査」における「不登校」、および行政用語である「不登校児童生徒」については、不登校 (理由別長期欠席者数)の項目を参照のこと。また、在学者の不登校問題については、長期欠席の項目を、非在学者の不登校問題については、「不就学」の項目を参照のこと。

「不登校」とは、登校していないという意味であるが、「欠席」という用語が1日単位で用いられるのに対し、不登校という語は、ある任意(不特定)の時期について使われることが多い。

ただしこれらは、学校の通学課程(全日制の課程・定時制の課程など)の場合で、通信制の課程においては、一ヶ月から一週間に一日程度の面接指導日(出席日)が設定されているような例が多く、日常的に登校する課程ではないので、長期的なものであって、かつ、二者択一とした「登校・欠席」の類型には、当てはめにくい。

ワーク・ライフ・バランス関連項目

    用語の定義

    『「不登校」は学校に登校しない状態のこと』と定義されるが、以下のように分類される。

    1. 学籍がなく、登校しない状態のこと。非就学者も参照。過年度生(受験浪人)や就学義務猶予免除対象者なども含まれる。
    2. 学籍がある人が、登校しない状態のこと。欠席・長期欠席も参照。休学や停学、出席停止なども含まれる。

    2のうち、さらに一部が日本政府の公式用語としての「不登校 (理由別長期欠席者数)」にあたる。これを受けて、マスメディアにおいては、不登校全体のうち、「理由別長期欠席者数統計における不登校区分」に当たるもののみに限定して、「不登校」と表記し、それ以外の長期欠席を含めていないことも多いため、注意が必要である。

    「就学」とは学校に在籍していることを指し、不登校であっても就学と呼ぶ。なお「非就学」のうち、小学校就学の始期に達していないために就学していない場合は「未就学」と呼ぶ。

    不登校への対応

    一般的な対応

    学校現場では早期対応、家庭訪問、個別指導などの対応が行われる。 不登校問題が深刻化して以降、学校毎にスクールカウンセラーが配置されるなど専門家による対応が実施されている。 また教室に入れない児童生徒は保健室登校や、教育支援センター(適応指導教室)など学校以外(一部は学校内に設置されるものもある)の教育環境が提供され学習指導などが行われる。

    ただし、いじめなどで不登校になった場合、その原因となった人間関係があるために保健室等であっても登校することができないケースやそもそも自宅から外へ出ることができないケースがある。これらの場合は家庭訪問等で対応がなされるが、保健室や教育支援センターでの指導に比べ十分な時間や内容が確保しにくい。

    保護者の対応としては、不登校に詳しい臨床心理士、精神科医、学校や行政の担当者などと相談しつつ、専門的に解決していくことになる。

    保護者が適切な登校刺激を与えれば、早期の再登校につながる場合もあるが、不適切な登校刺激が事態の深刻化を招く場合もある。 一方で、一見すると不適切とも思える登校刺激により再登校に至った事例もあれば、放置により不登校の長期化する可能性もある。 このように、登校刺激への反応は、生徒によってケース・バイ・ケースであり、複雑である。場合によっては、必ずしも再登校を目標としない選択も考えられる。

    保護者などによる暴力的な登校圧力は、教育行政の進歩や、世論の理解、「更生施設」において死者が出たこと等により、現在では推奨されていない。

    医療面の対応

    うつ病、統合失調症、パニック障害などの精神疾患が不登校の原因となっているか、または不登校の過程で精神疾患を併発している場合がある。攻撃的な徴候のある言動をしている場合、精神疾患の疑いで、神経科や心療内科、精神科などへ、出来る限り速やかに通院、または入院させなければならない。

    医療機関での対応は、薬物療法や認知行動療法が中心となる。認知行動療法の一環として、ソーシャル・スキル・トレーニング(社会性訓練)を取り入れている医療機関もある。これは、不登校児にしばしば不足しがちな、コミュニケーション技術の向上を図るものである。

    とくに、うつ状態は自殺につながるリスクがあり、医療機関での治療をせずに放置することは危険である。

    本人に病識が無く、医療機関の受診を拒否することもある。本人の意思を無視した強制的な通院・入院は、新たなトラブルとなる可能性がある。しかし一方で、本人の状態によっては、医療保護入院や措置入院が必要となるかもしれない。いずれにせよ、まずは医師や臨床心理士など、専門家による助言を求めることが不可欠である。

    注意欠陥・多動性障害(AD/HD)やアスペルガー症候群などの発達障害、さらには軽度の精神遅滞(知的障害)もまた、不登校に関係している場合がある。これらの疑われる場合もまた、医療機関、専門機関と相談することが望ましい。

    進学面の対応

    進学面での対応としては、とくに小・中学校において、不登校となった生徒を、出席日数と関係なく、学校側が進級および卒業させることが一般化している。

    ただし、学校側の対応によっては、不登校により、進級または卒業が認められない事例も、ごく稀ではあるが、起こり得る。この場合、転校するか、留年して通学するか、中学校卒業程度認定試験(中卒認定)や夜間中学校などを経て、高校進学または就職することになる。また、現在では、高認(後述)に合格すれば、中学校を卒業していなくても大学受験は可能である。

    不登校の生徒の高等学校進学では、中学校への出席日数の不足を理由に不合格とする高校は、公立、私立ともに(とくに公立高校では)、少なくなってきている。

    加えて、文部科学省の通知により、現在では、調査書(内申書)の代わりに、自己申告書を用いることが可能となっている。また、教育支援センター(適応指導教室)やフリースクールなど学校外の施設への通所・入所や、自宅においてIT等を活用した学習活動を、要件付きで「出席」扱いとすることが、やはり文科省の通知で認められている。このような措置により、不登校児の入学できる高校の選択肢は、それ以前より広がっている。

    さらに、調査書(内申書)を必要としないか、調査書を重視しない高校も存在する。単位制高等学校、通信制高等学校、その他支援教育を行う普通学校などが、それである。これらは一般的に、無学年、無学級であり、登校日時も柔軟なため、不登校児童にとって比較的、登校しやすい。また、編入学や高認(後述)の単位認定も容易である。

    高等学校卒業程度認定試験(高認)は、その取得により、高等学校を卒業しないまま、大学や短期大学、専門学校の受験が可能になる。しかし高認は、「高等学校を卒業した者と同等以上の学力があるかどうかを認定するための試験」であり、「高等学校卒業の資格」を与えるものではない。このため、就職の際に不利になるケースもあり得る。

    また、高校に在学しながらの高認取得も可能である。高校で必要単位を修得した科目は免除されるため、高認を受験する場合でも、何らかの高校に在籍したほうが有利である。高校の全課程を修了すれば、大学への推薦入学も可能になる。これは高認のみでも不可能ではないが、容易さが異なる。

    転校について

    新しい環境を求めて転校を希望する児童生徒もいる。公立学校の場合、いじめなど転校するだけの特別な事由があれば、教育委員会の裁量により、学区外または区域外の越境通学が認められている。

    他の自治体の小・中学校へ転校する区域外就学は、居住する自治体と受け入れ先自治体の、それぞれの教育委員会の協議と合意が必要であるが、実際には、受け入れ先の教育委員会が承諾すれば可能である。

    私立学校の場合は、特別の事由が無くとも転校が可能だが、全ての学校が不登校理由の転校を理解してくれるわけではない。このため、不登校への十分なサポートの有無も含めて、学校の選定が重要になる。

    八王子市立高尾山学園小学部・中学部、京都市立洛風中学校、湘南ライナス学園、星槎中学校、東京シューレ葛飾中学校などは、不登校の児童生徒を対象としており、その実態に配慮した特別の教育課程を編成している。また、このうち、湘南ライナス学園は、LDやAD/HDなどの児童生徒を対象にしている。

    自然に囲まれた環境や少人数学級での指導に期待し、山村留学の制度を活用して転校する児童生徒もいる。また、不登校の子どもを積極的に受け入れる山村留学施設もある。

    より開放的な教育環境を求めて、中学・高校段階から、主に英語圏への海外留学を選択する不登校児童もいる。

    その他、夜間中学校や通信制中学校の利用も考えられる。

    学力面の対応

    学力面での対応では、保健室登校や、教育支援センター以外には、学習塾・予備校や、家庭教師、学習参考書・問題集などを活用し、心身に無理のない範囲で、出来るだけ基礎学力の遅れを取り戻す、または遅れを生じさせないことが望ましい。

    ただし、検定教科書は、教師による授業での使用を前提としているため、独学に用いる場合、教科書ガイドなどで解説を補う必要がある。また、サポート校が中等部などを設けていることもあるが、これは、同じサポート校の高等部への進学を前提としている場合もある。

    自宅を拠点とした学習は、ホームスクーリング(在宅学習)と呼ばれ、近年、アメリカを中心に、世界的に増加の傾向にある。日本でも、ホームスクーリングを支援する団体等が設立されている。

    中学卒業後に、通信制高校への進学や高認受験を選択した場合、広い範囲の自学自習を求められる。このため、卒業または合格の前に、学習を放棄または先延ばししてしまう危険も比較的大きい。

    したがって、その場合には、単位制高校などへ入学・編入学するか、またはサポート校や学習塾・予備校などに通うことで、そうした危険をより少ないものに出来る。

    さらに、大学受験を希望する場合、高認や通信制高校の内容と、平均的な大学受験で必要とされる内容の格差が大きいことに、注意する必要がある。また、高認に限らず、通信制高校(一部を除く)では、数学III・数学Cなど、理系学部の受験で求められることの多い科目が受講できない。

    学業や進学についての問題(親の期待, 学業不振など)が不登校の契機となっている場合もあり、そのような事例では、焦って勉学を促すことが逆効果ともなり得る。保護者は、子どもの成人後の自立にとって必要最低限の提案をしながらも、最終的には子ども本人の意思で決めさせることが望ましい。

    不登校児の学業結果は、保護者にとって、必ずしも満足できるものではないかもしれない。しかし、他の子どもとの比較で本人を評価するよりも、たとえ些細なことであれ、本人の努力を評価することが、本人のモチベーション(やる気)を保つためには必要である。

    住みやすい社会を目指す方に

    • 世界に一つだけのこだわりのキッチンカーを作りたい方、キャンピングカーを始めたい方、どうぞお気軽にお問い合わせください。

    経済面の対応

    特殊な不登校への対応

    全ての不登校が、心身の障害や学校での人間関係、家庭の貧困を原因とする訳ではない。

    子どもへの虐待など、不登校が明らかに家庭に起因する場合には、原因となっている家庭環境を改善することが、解決の前提となる。その過程で、行政により、子どもを家庭から引き離す措置が採られることもある。

    外国人の子弟で、日本語能力の不足が不登校の原因となっている場合もある。例えば、日系人労働者の多い自治体では、日系人児童の不登校が問題化している。学校による日本語や基礎学力のケア、いじめ対策などが十分に期待できない事例では、ブラジル学校など、外国人学校への入学・編入学も検討される。

    関連情報


      Copyright (C) 2012 sympress.JP. All Rights Reserved.
      PR/// ネックストラップ  レディース 下着  iPhone 修理