あらゆるメディアで目や耳にするようになったワークライフバランス(仕事と生活の調和)と言う言葉。
個々のライフステージに合った形のワークライフバランスを懸命に模索し、自らの努力で自らのワークスタイルを変えようとしている先進的な取り組みを紹介し、変化の激しい社会・経済環境下においても私たち1人ひとりが仕事においてより高付加価値なパフォーマンスを実現できるような、「これからのワークライフバランス」のあり方について探っていきます。
世界24カ国約1万4千人を対象に行われた「ワーク・ライフ・バランスに関する世界意識調査」(2006年、インターナショナル・リサーチ・インスティチューツ)によると、参加国中日本は「全く満足していない」と感じている人の割合が最も多い結果となり(16%)、調和への「改善を試みたことがない」と答えた人の割合も66%とワースト2位の結果になっています。
「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する意識調査」では、『ワーク・ライフ・バランスが実現された社会に近づくためには、どのような企業の取り組みが必要か』といった質問に対し、圧倒的な割合で望む人が多かった項目は「無駄な業務・作業をなくす」で、「非常に重要」:44.0%、「重要」:43.0%、合計87.0%と、約9割の人が「重要」と思っていることが分かりました。この他、「重要と思っている人」の割合が5割以上の項目を抜粋してみると、以下のグラフのようになっています。
職場の制度に関する項目としては、「育児休業をとりやすくする」:(合計)77.8%、「時間短縮勤務ができるようにする」:(合計)75.1%が高い数値ですが、「管理職の意識改革を行う」:(合計)82.9%、「社長や取締役がリーダーシップを発揮してワーク・ライフ・バランスに取り組む」:(合計)82.4%、「管理職以外の社員の意識改革を行う」:(合計)75.7%と、企業内の人の意識に関する項目が相当高い割合となっていることが分かります。「制度そのものはあるけれど、利用できる雰囲気ではない」と感じている人も多いのでしょう。
最近は、ワーク・ライフ・バランスに取り組む企業も増えてきましたが、「家の事情で、会社を休んだり早く帰るなんて……」という価値観を持っている人もいます。
内閣府が2008年6月に行った「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する特別世論調査」では、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の認知度として、「名前も内容も知っている」:9.8%、「名前は聞いたことがあるが、内容までは知らない」:26.6%となっており、「名前も内容も知らない」人が半数以上(60.1%)でした。
さらに、2008年8月に行った「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する意識調査」によると、「生活の中で、仕事を優先したいと思っている人は2.0%しかいないのに、現実には約半数の人が仕事優先になっている」とのこと。
共働きの夫と妻で、一週間で自由に使える時間は、「2005年国民生活時間調査」(NHK放送文化研究所)を見てみると 男性と女性を比較すると、「身の回りのこと」で女性は男性より25分多く費やします。これは、お化粧や洋服選びなどの身支度に多く時間がかかるためでしょう。仕事の拘束時間は女性6時間25分に対し男性8時間30分となっており、これは男性の方が残業を多くしているためでしょう。そして、注目すべきは家事の時間です。女性3時間18分に対し、男性はわずか46分です。
この結果、自由に使える可処分時間は、女性2時間53分に対し、男性3時間59分で、1時間以上の差があります。これだと、共働き妻が忙しく家事をしていて、夫がのんびり家で過ごしているという姿が目に浮かびます。最近は、女性も男性と同じように残業するようになり、仕事にかかる時間差がなくなってきました。そう考えると、女性の平日の可処分時間はますます少なくなっていると言えるでしょう。
仕事と生活の調和推進(ワーク・ライフ・バランス)ホームページ - 内閣府ではワークライフバランスについて詳しく説明されています。
仕事と生活の調和とは
仕事は、暮らしを支え、生きがいや喜びをもたらすものですが、同時に、家事・育児、近隣との付き合いなどの生活も暮らしに欠かすことができないものであり、その充実があってこそ、人生の生きがい、喜びは倍増します。しかしながら、現実の社会には、安定した仕事に就けず、経済的に自立することができない、仕事に追われ、心身の疲労から健康を害しかねない、仕事と子育てや老親の介護との両立に悩むなど、仕事と生活の間で問題を抱える人が多く見られます。これらが、働く人々の将来への不安や豊かさが実感できない大きな要因となっており、社会の活力の低下や少子化・人口減少という現象にまで繋がっていると言えます。それを解決する取組が、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実現です。仕事と生活の調和の実現は、国民の皆さん一人ひとりが望む生き方ができる社会の実現にとって必要不可欠です。皆さんも自らの仕事と生活の調和の在り方を考えてみませんか。
「カエル!ジャパン」キャンペーンについて
−仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)推進のための国民運動−基本的な考え方
さまざまな理由で、仕事と生活が両立しにくい現代。しかし、理想は、『国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たしながらも、家庭や地域生活などというさまざまな場において、また、子育て期や中高年期といった人生のさまざまな段階に応じて、多様な生き方が選択・実現できる社会』です。
そのためには、各企業や働く人たちはもちろん、国や地方公共団体が連携し、社会全体で取り組んでいくことが欠かせません。
平成19年12月18日、関係閣僚、経済界・労働界・地方公共団体の代表により構成される「仕事と生活の調和推進官民トップ会議」において、「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」及び「仕事と生活の調和推進のための行動指針」が策定されました(平成22年6月改定)。
「憲章」及び「指針」に基づく取組を加速するため、平成20年1月、内閣府に「仕事と生活の調和推進室」が設置されました。推進室では、平成20年度をいわば「仕事と生活の調和元年」と位置づけ、個々の取組の支援とそのネットワークの構築を推進するとともに、「憲章」と「指針」を一人でも多くの方に理解していただき、社会全体での取組を推進するため、ポータルサイトの開設や連続シンポジウムの開催などを、「国民運動」の一環として展開してきたところです。
この国民運動を一層効果的に推進するため、「カエル!ジャパン」というキーワードの下、シンボルマーク・キャッチフレーズを作成し、集中キャンペーンを実施しています。
「カエル!ジャパン」キャンペーンを通じて、企業、働く方、国・地方公共団体の各主体はもちろんのこと、広く国民の皆様の取組への気運を醸成し、仕事と生活の調和の実現した社会に向けて、その取組を加速してまいります。
HP内では育児パパによる体験談も掲載されており、今後の参考になることでしょう。
育児・介護休業法は、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律
(平成3年法律第76号)の略称です。育児休業制度について、この法律で以下のとおり定めています。
労働者は、申し出ることにより、子が1歳に達するまでの間、育児休業をすることができ
ます(一定の範囲の期間雇用者も対象となります)。
一定の場合、子が1歳6か月に達するまでの間、育児休業をすることができます。
<育児休業の対象となる労働者>
○ 育児休業ができる労働者は、原則として1歳に満たない子を養育する男女労働者です。日々雇用される者
は対象になりません。
○ 育児休業の取得によって雇用の継続が見込まれる一定の範囲の期間雇用者は、育児休業がとれます。
<育児休業の申出>
○ 育児休業は、労働者の事業主に対する申出を要件としています。
○ 1歳までの育児休業については、希望どおりの期間とるためには、申出に係る子の氏名、生年月日、労働者と
の続柄、休業開始予定日及び休業終了予定日を明らかにして、休業開始予定日の1か月前までに申し出ます。
( 1歳から1歳6か月までの育児休業については、休業開始予定日(1歳の誕生日)の2週間前までに申し出ま
す。)。
○ 申出の回数は、特別の事情がない限り、1人の子につき1回であり、申し出ることのできる休業は連続したひと
かたまりの期間の休業です。
<事業主の義務>
○ 事業主は、要件を満たした労働者の育児休業の申出を拒むことはできません。
○ ただし、労使協定を締結することにより、妻が専業主婦など、「配偶者が常態として育児休業に係る子を養育
することができると認められる労働者」に該当する場合は、事業主は労働者(夫)からの育児休業の申出を拒
むことができ、拒まれた労働者は育児休業をすることができません。
○ このような労使協定が締結されていても、男性労働者の場合、その妻が産後8週間までの期間であれば、
「配偶者が常態として育児休業に係る子を養育することができると認められる労働者」には該当せず、生まれ
た子についての育児休業を必ず取得することができます。
<育児休業を1歳6か月まで取得できる場合>
○ 以下のいずれかの事情がある場合には、子が1歳6か月に達するまで育児休業ができます。
(1) 保育所に入所を希望しているが、入所できない場合
(2) 子の養育を行っている配偶者であって、1歳以降子を養育する予定であったものが、死亡、負傷、疾病等
の事情により子を養育することが困難になった場合
育児休業中の労働者が継続して休業するほか、子が1歳まで育児休業をしていた配偶者に替わって子の
1歳の誕生日から休業することもできます。
※ 法律で定められているのは、最低基準としての育児休業制度であり、企業によっては、これを上回る制度を
導入している場合もあります。